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奔濤

通常価格 ¥400,000
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完売
税込

 【SIZE】H1920mm×W860mm×D28mm(軸径)(作品部分の大きさH1380mm×W700mm)

【WEIGHT】1000g

【作品材料】昭和40年代和墨 画仙紙

【作品ストーリー】 
書は、画ではない。
書かれている言葉の「奔濤」は、
奔る(はしる)濤(なみ)と読み下し、勢いよく迸る波を意味する。
転じて、非常に勢いよく高くあがることを表す。

端的に激しい波を表現するなら、紙に筆を叩きつけ、墨を撒き散らせば十分である。
しかしこの作は、あえてその絵画的表現を用いていない。

まず注目すべきは、古い墨が用いられている部分だ。これにより、実際に筆が通った部分と、滲んだ部分の差異が現れる。
左上の書き始めを見ると、筆に墨をたっぷりと含ませてながらも、静かに筆を下ろしたのが見て取れる。ここであえて飛沫を飛ばさないことにより、水の量感と、これから動き出す波の予感を感じさせるのだ。

筆順を辿ってみれば、時に激しく、時に軽やかに、不定ながらも自在なリズムで筆が躍動しているのが見て取れる。
そして最終部では最も激しく筆を割り、動かし、岩に打ち寄せ砕ける波の激しさを表し、作品左上のたっぷりとした滲みとのコントラストを楽しませてくれる。

文字に目をやると、奔は行書、濤は草書と違う書体であるが、違和感なく融和されている。字形は上部が大きく、やや左傾している。これは宋代の米芾にも見られる、品格を感じさせる字形だ。一見不安定に見えながらも、絶妙にバランスを取っている。
滲みは放射状に広がり、ともすると柔らかいだけの印象を与えがちだが、実線はあくまでも直線的で、しっかりと骨の入った作品に仕上がっている。

現代的な情感が、しっかりとした土台に支えられて表出した作品と言えよう。

 

【作品のポイント】
書は、作者の書いた筆跡を辿ることが出来るのが、絵画と違う大きな特徴です。
離れて見たり、近づいて見たり、時には自分が書いてる様に1画目から辿ってみたり、、。
様々な楽しみ方をしていただければと思います。

 comment

これぞ書。文字の美しさももちろんだが、墨の滲みや余白の美しさが素晴らしい作品です。力強さと繊細さ。どちらも感じられる本作品を是非お気に入りの場所へ飾ってみてくださいね。

 Staff Comment

comming soon.