【SIZE】H670mm×W330mm×D30mm
【WEIGHT】500g
【作品材料】 宣紙、墨
【作品ストーリー】
心悸
(しんき=Shin-ki) = heart palpitations
心の鼓動を自覚すること。
辞書的な意味では「動悸」と同じ意味。 多くは、不安や緊張から来る心臓の鼓動の高まりを指す。
「悸」は、訓読みで「悸(おそ)れる」と読む。 自分はこれまで、常に「おそれ」を感じていたように思う。 極端に人の目を気にしたり、顔色を伺ったり。 昨今の世の中は特に、空気が張り詰めているような気がして、なんとなく、生きづらく、息苦しく感じる。
自分自身の心は正直だ。 つらいと思う時はつらいし、つらいときの鼓動がある。無理して踏ん張ったところでどこかでいつか限界が来る。 もちろん、楽しいときは鼓動の高まりに任せて、思い切り楽しめば良い。 要はもっと、自分の心に素直に生きていたいと思う。そういう人が増えてほしいと切に願う。
心が素直に動くほうへ身体も動いた時、その場では出逢いが生まれ、その出逢いが僕を生かしてくれている。 なんだか今までも、僕は心で生き、心に生かされてきたのかなと思う。 そんな心の鼓動から「生」を感じる今の心境を、ありのままに表現してみた。
【作品のポイント】
昨夏、京都で展示の機会をいただいて、いざ何を書こうと考えた時、何も出てこなかった。 京都の人たちに何を感じてほしいのか。 「伝心庵」で何を表現したら、一番良い形になるか。 何を書いたら、知り合いも少ない京都で人を呼べるのか。 そんなことばかり考えてたら、何も出てこなくて、こわくなって、京都のファストフード店で号泣した。(恥ずかしい…)
でも、その涙が心のデトックスになったのか、その翌日。 改めて、市川は何を墨で表現したいか、と問われた時、心の底から、「心」を書き、「心」を感じられる空間をつくりたいと思った。
ファストフード店での号泣から生まれた作品だと思うと、どこか可笑しくも、感慨深い作品である。
[Existence] Coming soon.
|